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{Eimi view}
ーーーーーーそして翌日ーーーーーーーーーーー
「 んじゃあ、
質問ーー
ノベゲってどうやって
つくるかしってるーー?」
英美に初心者用の説明をするため
準備室ホワイトボードを用意した久遠が切り出す。
「それくらい
しってるわよ」
英美が当然至極元気に答える。
「要は恋愛ゲームなんだから
”フラグ”とか立てまくって
ウハウハのハーレムゲーに
しちゃえばいいのよ。」
臆する事も無げにハキハキとこたえるJK。
「ふむ・・・
それはいい考えだY・・・」
そういって久遠は否定することもなく、
ホワイトボードに書き連ね始めた。
「例えば、
恋愛シミュにおいて
相手の”好感度をパラメータ表示し
それによってストーリーが変わっていくとしよう。
=====================================
*define {MS gosic ;
*coler ( white #000000,black #999999);
*clickstr {"!",or "?",};
*flage=¥a;
¥a=¥b;
!s(0.155),!ss(1.5);
};
*game;
*start;
{ if=>50,%KOUKANNDO,flag(true);
else<=50,%KOUKANNDO,flag(folse);
};
*goto{flag(¥a)==!1,scene%18;
flag(¥b)==!0,scene%29;
};
*printf=(GAME CLEAR);
*return0;
*end game;
=====================================
「こうやって
50P以上で
”付き合える"or”付き合えない”とでも
すればいい。」
そうやって久遠は訳の分からないこと
ずらずらと書いていくどれがどれだかわからん。
おーなんかごちゃごちゃと
プログラムっぽくなってきた。
「でも、まずは
このスクリプトじゃ初心者には
わかりづらいだろうから。
=====================================
%KOUKANNDO
------------------ --------------------
|| yes %1 || || no %0 ||
----------------- ------------------
\ /
\ /
if=>50, else<=50
======================================
そういって久遠はわかりやすく
重要なところと抜き出して図示してくれた。
「この時、条件に従って、
ソフトのレジスタには
0か1かの変数が格納され、
これを
”フラグを立てる、
または降ろすという。”
これによって選択肢に沿って
物語が様々な方向へ、
分岐することが可能になるわけだ。」
久遠がどんどん説明していく様に聞き入る英美。さらにいろんな文法をかいてみせてくれた。
あ「for,loop構文
if、else分岐・・・・・」
「まず、このままの
原稿じゃだめだ、
あくまでノベルゲームとして楽しませないと。」
えっ・・・・・か・・・かきなおしでつか・・・(泣)
”フローチャート”だ
物語の各行列間の流れを
段落ごとに分け、
アルゴリズムを記述しろ。
それこそ、
ポジティヴな要素から
ネガティヴな要素まで
全てだ。
全てのパターンを想定しろ。
いや、思春期少女の妄想力でいい。」
一気に言い終える久遠、
も・・・・妄想でつか・・・・・。
リファレンスの内容を反芻し考えながら
新たに原稿に向かう英美であった。
その時、準備室のドアが開いていつもの元気な声が響きわたった。
「
みんな、待たせてゴメン!
できたわよ。おっはよ〜」
それとは対照的に人に説明するのが苦手なのか
フラフラになって出てきた久遠。
「じゃ・・・じゃあさっさと
コンパイルするぞ・・」
sdカードのテキストデータを受け取った久遠は
デスクトップのコマンドプロンプトを開きgccにおいて実行ファイルを作成したあと
brianに移し、英美に受け渡してくれた。
「ほれ・・・起動してみろ」
「う・・・うん・・・・・」
再び緊張が走りそっとexeファイルをタップする。
お願い!!せっかく作ったんだからどうかその姿を見せて!・・・
内心、勉強もせずなんでこんなくだらないことに散々、時間を費やしているのだろうと思ったこともあったが、そんな事はその瞬間吹き飛んだ。
やがて・・・・・・・・・
現れたのは目を背けたりしたくなるようなカオスだった。
「やったーっ!!
大成功ーーーwww」。
「おお・・・・
内容もなかなかテラカオスですな・・・」
・・・・みてるこっちが恥ずかしくなる・・・・
外村は気まずそうだったがそれでも興味深く見つめてる。
妄想を爆発させたようなBLストーリーが展開されるが
内容についてはとにかく触れないでおこう。
ちなみに久遠は
そんな薄っぺらいソースみてられるかっつって
再び、机の奥の方へと引き籠り帰ってしまった。
しかし、少女達はそんな男子の目を厭わず
完成したゲームで遊んではしゃいでいた。
「よかった〜ぁ
これで文芸部の作品発表会に
間に合います!!」
「よかったわね、英美、」
「でも、
それで
授業中に遊んで
取り上げられたり
するなよなー」
あはは・・・